ヘレン・ケラー女史は、Three Days to See(目の見える三日間)の中にこう記しています。
1日目 沈黙と暗闇の世界から彼女を奇跡の人へと導いてくれたサリバン先生の顔をよく見たい。そして、親しい人たちの顔を見たい。
2日目 未明に起きだして、太陽が昇る瞬間を体験したい。そしてその1日、博物館に行ってさまざまなものを観たい。また、美術館に行って、レオナルド・ダ・ヴィンチやレンブラントの絵画を観たい。できる限り、いろいろなものを見たい。
3日目 平凡な一日を体験してみたい。
先日、テレビ番組の中であるタレントさんが「あんまり楽しすぎると悲しくなる。」と言っていました。
旅行の準備をしていた時が一番楽しくて、いざ旅行に行くと帰ることを考えるとつまらなくなるという人もいます。
さて、ヘレン・ケラー女史にとって、目が見えて、耳が聞こえて、声がでるという世界は、とんでもなく非日常的であったはずです。だからこそ、「平凡な一日」の素晴らしさをだれよりも理解していたのかもしれません。
がんを患われた患者さまからも「平凡な毎日」への思慕を聞くことがあります。ほんとうの幸せは特別なことではなく、ごく当たり前の生活の中から生まれてくるということ、何か大切なものを失ってから気づくものです。
しかし、大なり、小なり、「平凡な毎日」の中に起きる出来事は、私たちに変化を促すメッセージなのかもしれません。そうより良くなるためのメッセージです。
疲れやすいなと感じたら、体からの休めのメッセージかもしれません。ハイキングの日に雨が降ったら、予定変更でもっと楽しいことがあるかもしれません。
このように、幸せな「平凡な一日」を重ねて行くには、小さな変化を見逃すことなく、丁寧に暮らすことなのかもしれないと思います。
さて、このところ、朝夕は、ずいぶん涼しくなりました。夜のウオーキングで、日ごとに秋が深まっていることを感じています。
藤岡医院 カウンセラー 藤岡ふみよ
